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2026年1月号 小笠原先生の「明日の空(Tomorrow’s sky)に向かって」122

小笠原先生のコラム

小笠原先生 小笠原 隆政(おがさわら たかまさ) <プロフィール>
塾ミシガン高知 代表
・1985年 米国ミシガン大学の語学理論を用いた英語・英会話教室を開設
不変の語学理論(聴・話・読・書)の応用実践教育を展開
学習時間が自由に選べてキャンセル、変更が自由にできるチケット制を導入
・2004年 英語教室では大変成果があがり、多くの方に切望されていた総合塾に改編
パソコン教材も導入し、他の科目も語学理論に沿って立体的に応用指導
・2015年 教室創立30周年名大SKY連載コラム「明日の空に向かって」の執筆開始
教室が英語の四技能を測れるCBT検定の「GTEC」検定会場に認定される
大きな塾よりは自分の目の届く範囲での直接指導塾にこだわって経営している

 

こんにちは、2026年新春1月号です。熊が街のど真ん中に出現し、寒暖の差は激しく、大雪や地震など、何か落ち着かない2025年の師走でしたね。被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、皆様がお健やかに新年を迎えられたことをお慶び申し上げます。

私のコラムも今回が麻雀で言う「ラス前号」となりました。

近年、インフルエンザなどによる学級閉鎖で試験日程が変更されるなど、受験を取り巻く環境は不安定さを増しています。その中で、大学入試のあり方も大きく変わってきました。令和8年度の大学推薦入試でも、地元県立大を始め合格の報が届いています。

従来の学力試験に加え、「小論文」「志願理由書」「面接」といった、受験生自身の意見や思考力を問う要素が、合否を分ける重要ポイントとなってきました。

しかし、これらの指導現場では、まだ混乱が見られます。近所の塾でも小論文指導を謳うところはありますが、残念ながら「塾長が書き直して提出する」というケースが少なくありません。これでは、形式的に整っていても、中身は「可もなく不可もない文章」に留まってしまいます。

個性重視の現代入試において、採点者が求めるのは、生徒個人の「独自の考え」と「論理立てる力」です。形式を整えただけの文章は、むしろマイナス評価につながりかねません。

私の教室では、小論文指導を希望する生徒が年々増えており、個別学習をさらに進めた少数個人学習塾の様相を呈してきました。

当塾の指導では、まず小論文の基本と論理構成の展開方法を徹底的に身に付けさせます。その上で、生徒自身の「独自的な考え」を、どう説得力のある文章に落とし込むかという指導に注力しています。制限時間の感覚も体で覚えてもらうくらい実践学習をします。

特筆すべきは、原稿用紙で基本を学んだ後、必ずパソコン(Word)で仕上げさせるという点です。

「情報」の授業でパソコン操作は習っているはずなのに、スマホ中心の生活を送る高校生は、いざ文章を入力・編集しようとするとWordの扱いに苦労します。しかし、大学のレポートや卒業論文は、すべてパソコンでの提出です。

小論文で合格を勝ち取ることだけでなく、入学後の大学生活で困らない「情報活用能力」まで見据えた指導法は、小論文を専門とする塾の中でも珍しいと自負しています。

当塾で学んだ生徒は、たとえ少ない学習期間でも合格を勝ち取っています。そして、卒業後も大学生活での文章作成に役立ったと報告してくれることが、何よりの励みです。

最後に私事ですが、最近は地方の文学賞へ小説などを応募し、作家と自称できる仲間入りを目指していまして、ご存知の名大SKYのネット小説とは、全く異質の作品を書いています。

これは、生徒の個性や主張を深く理解し、表現を引き出すという私の指導テーマを、さらに突き詰めるための挑戦でもあります。人間性を深く掘り下げ、登場人物の感情を繊細に描き出すという作業は、生徒の「独自の考え」を文章に投影させる小論文指導に必ず通じるからです。

なかなかハードルは高いですが、挑戦し続けることが私の夢です。そして、教える私が多少作家として有名になることで、生徒たちにも「夢を追うことの価値」を伝えられたら、これほど嬉しいことはありません。

受験は、社会の激しい変化を乗り越える「自分で考える力」を養うスタート地点です。来たる新年度も、私が常に前を目指し、同時に生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出す指導を続けてまいります。

To be continued…

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