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森智勝先生の「地域1番塾への道」vol.23

森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>
全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表
・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。
・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立
・平成18年 「全国学習塾援護会」設立
・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。
全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。
机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。

2014.8月号‐面倒見の良さで地域№1になるために22‐

マーケティングの世界で言われている例え話があります。


「カエルを熱湯に入れるとビックリして飛び出すが、
水の中に入れてじわじわと熱するとゆでガエルになる」


あまり気持ちの良い例えではありませんが、
人の真実を絶妙に言い当てています。
人は、じわじわとやってくる危機には対応が遅れて、
いつしか致命傷になることがあります。


代々木ゼミナールが大幅な校舎の削減と模擬試験からの撤退を発表しました。

 

「少子化傾向・現役志向は以前から分かっていたのに、
ズルズルと手をこまねいて最悪の事態を招いた」


という意見があります。
いわゆる、

「ゆでガエル」

になってしまったという見立てです。
その指摘が正しいかどうかは、
今後の代ゼミの行く末を見極めなければなりません。
もしかしたら数年後、勇気ある撤退だったという評価になるかもしれません。


「予備校運営に見切りを付け、不動産業界に本格的に乗り出すのだ」


という憶測もあるくらいですから。

 

代ゼミほど規模が大きく、
資産も抱えている予備校・塾は華麗な転身?
も可能でしょうが、
中小・個人塾には難しいと言わざるを得ません。
先日、某個人塾の塾長から悲鳴にも似た要請を受け、緊急訪問しました。
聞けば、長年赤字続きで貯金を取り崩して塾運営を続けて来たが、
ついに貯金が底をついたと言うのです。
典型的な、

「ゆでガエル」

状態です。

 

客観的に見れば、


「なぜ、もっと早く手を打たなかった」


となるのですが、この塾長だけが特殊というわけではありません。
私は同種の経営者を何人も見てきました。
人は過酷な結末を見たくないのです。
そこにある危機から目を背けたいのです。
そして…神風が吹いてくれるのではないかと,
根拠のない願望にすがる生き物です。
私も以前(塾経営をしていた頃)はそうでしたから、
彼の心情は痛いほど分かります。
しかし、それで何とかなる奇跡は起こらないことも知っています。

 

もう1つの原因は、(これは男性経営者に顕著なのですが)
プライドが邪魔をするのです。
失敗を認めることで自分の経営者としての,
プライドが傷つくことを恐れるのです。
まあ、有体に言えば、

『ええカッコしい』

なのです。
経営が苦しくなっても、誰かに頼る…
例えば大家さんに賃料の値下げをお願いする、
バイトの時給を下げる、
自らポスティング・門配を実行する…
そうした経費削減の行動に踏み出せないのです。

 

そして…これは根本的な問題なのですが、
人は誰でも、

「やればできる自分」

でいたいのです。
「やればできる自分」

であり続ける条件はたった1つ…
何もやらないことです。
何かをやれば必ず一定の結果が出ます。
否応なしに現実を突き付けられます。
何もしなければ結果を突き付けられることもなく、
いつまでも、

「やればできる自分」

でいられます。

 

こうした人としての業を打ち破った先に、新たな道は存在するのですが、
何も行動を起こさない人には永遠に見つかりません。
貯金を使い果たした赤字の塾に、打てる手は限られています。
でも…
この紙上セミナーのテーマは、

「面倒見の良さ」

です。
よ~く考えてください。
面倒見を良くすることに大きな資金を必要とはしません。
たいていはコスト0です。

 

かつては個別指導というだけで差別化が図れました。

「マンツーマンで教えてくれる」

というのが面倒見の良さにつながったからです。
しかし今、そんなことだけで面倒見の良い塾という評判は作れません。
すでに顧客側の、

「面倒見の良さ」

に対する認識は変わっています。
私には、顧客の意識は原点回帰しているように思えます。

 

「面倒見の良さ」

の原点は、授業を、

「必死で」「命懸けで」「情熱をもって」

行うことです。
もちろん、
これまで紹介してきた
数々の手練手管(周辺部分のデコレート)は必要ですが、それも全てコアにある、

「授業(学習指導)」

が本物であることが条件です。
そして、言うまでもないことですが、
そんな授業を展開するのに新たな投資は必要ありません。
あなたと講師たちの意識さえ変われば可能なことです。
後期が始まりました。

 

気持ちも新たに、

「面倒見の良い塾」

に邁進してください。

 

塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝

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