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森智勝先生の「地域1番塾への道」vol.34

森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>
全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表
・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。
・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立
・平成18年 「全国学習塾援護会」設立
・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。
全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。
机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。

2015.8月号‐子どもをやる気にさせる地域№1塾になるために9‐

前回、こどもをやる気にさせる褒め方についてお話しました。
今回は叱り方です。

「褒めると叱るは同じ目的」

と言いましたが、では叱ると真逆の行為は何でしょう―そう、

「怒る」

です。

生徒が遅刻をした時、宿題を忘れた時、我々塾教師は叱らなければなりません。

そもそも、

「遅刻をする」「宿題をしない」…

これらの行為に法的責任はありません。
それどころか、そうしたことは

「お客様の自由」

というのが原則です。
我々は客である生徒に対して、宿題を強制する資格も権限もありません。
だからと言って、叱ることもなく容認すること(そんな塾が増えていますが)も間違っています。なぜなら、それは生徒のためにならないからです。
やはり、ちゃんと叱ってあげなければなりません。
問題は、叱っているつもりでいつの間にか怒ってしまう教師がいることです。
例えばある生徒が宿題を忘れてきたとしましょう。
こんな叱り方(怒り方)をしていませんか?

 

「(最初は冷静に)どうした?なぜ、宿題をやっていないんだ?
(だんだん興奮して)今日だけじゃないよね。
何回目だ?ヤル気があるのか?
(激怒して)そんなにヤル気がないのなら、塾なんか辞めちまえ!」

 

「宿題を忘れる」

はhavingです。
本来、そこだけにフォーカスして叱らなければなりません。
ところが、叱っているうちに感情的になり、

「今回だけじゃない」

とdoingに侵食し、最後は

「ヤル気がないのなら辞めろ」

とbeingまで否定してしまいます。

断言します。
そう言われてヤル気になり、態度を改めて宿題をしてくるようになる生徒は皆無です。
それどころか、ますますヤル気を失い、本当に塾を辞めてしまいかねません。
これでは生徒にとっても塾にとってもマイナスです。
繰り返しますが、宿題をやってくる義務は生徒にはありません。
そのことで

「怒る資格」

もあなたにはないのです。

「宿題を忘れた」

という一点だけにフォーカスして、最後は生徒が前向きになる叱り方をしなければなりません。
教師のキャラによって手法は様々ですが、熱血タイプの教師ならば次の手法が有効です。
名付けて

「ドカン・キュッ・ニコッの叱り方」

です。

最初にドカンとカミナリを落とします。
「何やってるんだ!」

 

でも

 

「ダメじゃないか!」

 

でも、言葉は乱暴ですが

 

「ふざけるな!」

 

でも構いません。
怒鳴った音量で生徒を委縮させます。
そのあと10秒の沈黙。
たぶん、あなたの怒り(もちろん演技)の大きさに生徒は固まっていることでしょう。
10秒後、キュッと心を掴むセリフを穏やかに吐きます。

 

「どうした、体調でも悪かったのか?」

 

でも

 

「いつもの君らしくないけど、何か悩みでもあるのか?」

 

でも構いません。

「先生は本気で怒っているわけではないこと」

を知らしめることが重要です。
そして最後は必ずニコッと笑顔を見せて終わらせることです。

 

「君には期待しているからな」

 

等のセリフと一緒に。
この間、約1分です。
それ以上長くなると、自分の言葉に刺激を受けて興奮し、怒りが湧いてきてしまいます。
どんな叱り方をするにしても、1分以内に収めることが重要です。

叱る行為が終わったら、対処を求めます。

 

「今日の分の宿題、どうする?」

 

その時の生徒の回答は100%容認する姿勢が必要です。
生徒は

 

「今日、残ってやります」

 

と言うかもしれません。
その時は

 

「分かった。終わるまで付き合うよ」

 

と対応します。

 

「来週までにやってきます」

 

と言うかもしれません。
その時も

 

「分かった。ちゃんとやってくることを楽しみに待っているよ」

 

と対応します。

もちろん、前提として
宿題をやって来ることがいかに大切かを日頃から説明しておくことは言うまでもありません。
また、それに適う宿題を設定することも。
塾の宿題はパツケームではなく、生徒の学力向上のためにあるのですから。

さて、基本は

「怒る」

のではなく

「叱る」

なのですが、塾教師が怒らなければならない場面もあります。
それは生徒が

「人としてやってはいけないことをやった時」

です。
例えば言葉の暴力。
それは店と客の関係を越えて、烈火のごとく怒らなければなりません。
クラスメイトに対して

 

「バカ」「ブス」「デブ」

 

等の侮辱的発言をした時、

 

「お前なんか、努力しても無駄だ」

 

と卑下するような発言をした時は、ちゃんと怒ってあげて下さい。

それは人生の先輩として、大人としての責任です。

 

塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝

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