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小田原健一先生の情熱の個別セミナー18

2018年 3月 30日

小田原 健一(おだわら けんいち)
<経歴> 

神戸の中堅塾の個別指導部門の責任者を務める。
生徒数を18名から281名まで伸ばす。
不振校舎の業績改善においては、年度当初69人の生徒を半年で181人まで回復。
2013年、個別指導塾コンサルタントoffice lokki(オフィスロッキ)を設立。


<ご挨拶>

こんにちは。兵庫県で個別指導塾のコンサルタントを行っている小田原と申します。
生徒の成績も塾の経営もその本質は変わりません。
それは正しいことを、適したやり方で、必死のパッチに頑張ること。
間違ったことをどれだけ頑張っても成果は出ませんし、やり方が適していなければ成果が出るまでに時間がかかりすぎてしまいます。
原理原則を踏まえて、また会話を大切にしながら、貴塾の課題克服に貢献できればと思っています。よろしくお願いします!

退会申し出の後での三者面談では『他塾のこと』として話を聴く!

前月に引き続き、退会の申し出があったときの対応についてお話します。前月のコラムで、退会防止の対応のためにはまず退会予備軍をピックアップし重点的にフォローする。それでも残念ながら退会の申し出があったら三者面談のアポイントを取るというお話をお伝えしました。

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今月は実際に退会申し出があった際の三者面談での対応について書きます。大きなプレッシャーがかかる面談です。先方は退会しようと思って来るわけです。大きなクレームや嫌味も言われるかもしれません。それにじっと耐え、出来ることなら退会に至らないような結末に持って行きたい。ストレスフルな局面です。

 

先にすべきではないことを3つお伝えすると、まずは対決することです。いきさつがどうであれ、先方は何らかのネガティブな感情を持っているのです。実際のところがどうであれ、先方がマイナス感情を持っていることそのものは紛れもない事実です。人間関係も良好ではありません。その段階で対決モードを作っても何ら良いとこはありません。言いたいことは人間関係が良好になった後で言うべきです。

 

すべきではないことの2つ目は言い訳をすることです。さらに溝が大きくなる可能性が高いでしょう。すべきではないことの3つ目は、必要以上に下手に出ることです。下手に出すぎると、仮に退会が止まっても今後の対応で大きく苦労します。塾は指導性を発揮するサービス業です。生徒や保護者から『先生』と思ってもらえなくなると、指導の根幹が崩れます。誠実に対応することは重要なのですが、不必要に下手に出ないように注意が必要です。

 

では、何をすべきなのか。ずばり徹底的に保護者の話を聴くことです。ただ、緊張の局面で先方の話を聴くということが実に難しい。保護者は本音では貴塾への信頼を失ったからこそ退会を申し出ているのです。貴塾に対して、また塾長先生に対して、グサッとささるような言葉も多くなります。人間は防御本能を持っているので、前述した対決モードや言い訳モードといった防御の姿勢をついつい取ってしまいがちです。

 

そうならない為のヒントを1つ。それは、起こっている話を『他塾のこと』として聴くことです。例えば入会面談の際に、前の塾で散々な対応をされたような話を保護者から聞く場面はよくあることでしょう。『約束を守ってもらえなかった』『定期テストの範囲と違うところの授業だった』『先生がコロコロ変わる』『先生がえこひいきする』こんな話を塾長先生は笑顔で聴き『うちは大丈夫ですよ!』とお話になっているはずです。

 

なぜ笑顔で聴けるのか。それは他塾の話だからです。同じテーマでも自分の塾の話になると冷や汗を書いてしまい、話を聴けない。私も現場時代、何度も退会時の面談で失敗し、そして見出したのが『他塾のこと』として聴く作戦です。誤解がないように書きますが、何も開き直ることを勧めているのではありません。変な冷や汗をかかずに保護者の話を集中して聴くためには、あえて『当事者の感覚』を外したほうが上手くいくということが私の言いたいことです。

 

保護者は何も塾長先生に冷や汗をかいてほしいわけではありません。本当に塾に失望しているのなら面談になんか来ずに、黙って辞めています。面談に来てくれるということは塾長先生に思いを分かってほしい、そしてわが子の為に何とかしてほしいという気持ちが0%ではないからです。『言葉はきつくなるかもしれない。でもそれを含めて分かってほしい』そんな保護者の思いを受け止めたとき、保護者の怒りはすっと下がります。

 

貴塾にとって少しでもお役立ちいただければ幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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