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森智勝先生の「地域1番塾への道」vol.71

森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>

全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表

・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。

・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立

・平成18年 「全国学習塾援護会」設立

・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。

全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。

机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。

 

「地域1番塾への道」2020.11月号-説得力(コピーライティング)№1の塾を目指して⑮

私は講演の締めとして、メッセージ性の高い逸話を披露することを常としています。その中でも、生徒&保護者向けの講演で頻繁に使う2つの逸話があります。1つは以前紹介した「ロード・オブ・ザ・リング」の話です。重複を承知の上で再度、以下に紹介します。

皆さんはロード・オブ・ザ・リングという映画をご存知でしょうか。「指輪物語」をモチーフとした三部に分かれる大作です。その最終章の最後の場面。人間の軍団と魔界の軍団が最後の闘いに挑みます。人間の兵士たちが隊列を組んで待っていると、山の向こうから魔界の軍団が10倍、100倍の勢力でやってくるのが見えます。兵士たちが怯(ひる)み、動揺を始めます。その時、主人公が馬にまたがり剣を振りかざして叫びます。
「確かに、我々人間が魔界の奴等に敗れる日が来るかもしれない。確かに、我々人間が奴等に支配され虐げられる日が来るかもしれない。しかし…」

この後、彼はハリウッド映画史上最高のセリフを吐きます。

「しかし、それは今日ではない!」…But, it is not this day ! と叫んだのです。

確かに、受験勉強の日々は辛く、苦しいものです。「もう止めよう、もう志望校を諦めよう」と思う日が来るかもしれません。しかし…「それは今日ではない!」のです。今日できることが必ずあります。明日できることが必ずあります。今日できることを今日やり、明日できることを明日やる…そうやって1日1日を乗り越えていった者だけが本当の生きる力を掴み取るのです。

誤解を恐れずに言えば、行った高校の名前で人生は変わりません。でも、そこを目指して必死で努力した者とそうでない者とでは確実に人生が変わります。あなたは受験を通して「生きる力の尻尾」を掴むのです。

辛くなったら唱えてください。「しかし、それは今日ではない!」と。あなたを支える魔法の言葉です。

これは、「諦めるな!」という1秒で済むメッセージを、2分掛けて伝えるものです。受験生向けにはとても効果的です。参加者が保護者と生徒、半々くらいのときには、以下の「山の神様」という話をします。ご存知の方も多いはずの、有名な話です。

昔、ある村に問題行動ばかりを起こす少年がいました。いつも迷惑行為で村人を困らせる「鼻つまみ者」でした。しかし、山の神様にだけは頭が上がらず忌々(いまいま)しく思い、いつか山の神様をギャフンと言わせたいと思っていました。

そんな時、森の中で瀕死の小鳥を発見して、少年は閃きます。仲間を集め、小鳥をそっと手の平にくるんで言います。

「今から、この瀕死の小鳥を使って山の神様をギャフンと言わせてやる」
「どうやって?」
「小鳥を手の中にくるんで神様に聞くんだ。この手の中の小鳥は生きていますか、死んでいますかって。そして『死んでいる』と神様が答えたら、そっと手を開いて『ほら、瀕死の状態ですけど生きていますよ。神様、間違えましたねって笑ってやるんだ』
「じゃあ、生きてるって当てられたらどうするんだ?」
「こんな死に掛けの小鳥、ちょっと手に力を入れるだけで死んじゃうよ。その時は神様にわからないように小鳥を殺して、『ほら、小鳥は死んでいますよ』って言ってやるんだ」
「それなら神様も騙されるに違いない」

仲間たちに応援され、少年は野を超え、川を渡って山の神様の前に立ち、右手を差し出して言います。

「神様、この手の中の小鳥は生きていますか、死んでいますか?」

神様はこう言ったそうです。「その答えは・・・・・・・・・お前の手の平が握っている」

さて、あなたは自分の手の平の中に何を握っていますか? 自分の人生をちゃんと握っていますか? それを生かすも殺すもあなた次第です。

この話は、「自分の人生に責任を持て!」を2分で表現するものです。

「ロード・オブ・ザ・リング」も「山の神様」も私の創作ではなく、既成の話です。ネットを叩けば、こうした話はいくつも見つかります。要はあなたのアンテナを立てているかどうかの問題です。多くのネタを心の引き出しに入れておいて、場面に合わせて引っ張り出す-それが臨機応変にできる人が説得力のある人です。

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