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森智勝先生の「地域1番塾への道」vol.15

森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>
全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表
・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。
・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立
・平成18年 「全国学習塾援護会」設立
・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。
全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。
机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。

2013.12月号‐面倒見の良さで地域№1になるために14‐

前回は生徒とのコミュニケーションについてお話しました。
今回は保護者とのコミュニケーションです。
保護者とのコミュニケーションはフェイス・ツー・フェイスに加え、
電話、書面(メールを含む)等、様々なツールを利用することでしょう。
これらは、内容に応じて使い分けなければいけません。

 

意志の伝わりやすさの順を付ければ当然、会う→電話→書面の順になります。
この当たり前の順番を常に意識していればいいのですが、
時として忘れてしまい、大きなミスを犯すことがあります。
会って話をするのが一番良い理由は、
言葉だけではなく表情や身振り手振りで意志を伝えることができるからです。
例え、

 

「お前、アホか」


という言葉でも、目の前で笑顔を交えて言えば、
話の流れから、

「親しみを込めたジョーク」

ということは伝わります。
一説によると、意思伝達は言語以外が80%を占めていると言われています。
それに対して電話は、相手の様子が分かりません。
つまり、誤解が生じる可能性が高いのです。


この電話の特性を生かして数年前から流行って?いるのが、

オレオレ詐欺」

す。
相手の姿が見えないため、次のような見え透いた嘘に騙されます。

 

「私、弁護士の鈴木です。
今朝、あなたのご主人(あるいは息子さん)が、
痴漢をして警察に拘束されました。
今でしたら、被害者の方も示談に応じると言って下さっています。
示談金は30万円です。
どうなさいますか?」

 

もし、この電話の主が目の前で同じセリフを言ったとしたら、
騙される人は皆無でしょう。
それほど電話は危険なのです。

 

そこで、ご提案です。
塾から家庭に電話訪問することは「面倒見の良い塾」としては必須です。
ただし、その内容は「深刻な重要なことにしないこと」をお勧めします。
例えばこんな感じです。

 

「あっ、○○君のお母さんですか?
いやあ今日、○○君が入塾して初めて挙手してくれたんですよ。
やっと塾にも慣れて積極性が出てきたようで、
私も嬉しくて思わず電話してしまいました。
お母さんからも褒めてあげてください」

 

こうした内容の電話に不快になる保護者はいません。
深刻な話、例えば

「宿題をして来ない」「遅刻が多い」「他の生徒の勉強を邪魔する」…

こうした話は電話ではなく、会ってするべきです。

 

ぜひ、フェイス・ツー・フェイスと電話の使い分けを意識してください。

 

そして、最も意志を伝えにくいのが書面です。
冬期講習の案内、保護者会の案内等々、
塾から家庭に提出する書面は多岐に渡ります。
内容をしっかり工夫しないと、そのほとんどの、

「あなたの意志」

が、伝わらないことになります。
前回も言いましたが、

「冬期講習の案内」

を出すのは、

「冬期講習を受けてほしいから」

す。
その思いを十分に伝えるためには、定型のA4一枚の分量では不十分です。

 

すでに今年の冬期講習案内は配布済みでしょうが、
ちょっと見直してください。
こんな文面になっていませんか?

 

(定型のあいさつの後)

さて、今年も下記の要領で冬期講習を実施します。
習意欲あふれる皆さんの受講をお待ちしています。
受講を希望される方は、申込用紙を12月○日までにご提出ください。

(後略)

 

こうした定型の案内文を読んだ母親の感想は100%、


「ああ、またお金が掛かる話…」


です。

そしてため息をつきながら、マグネットで冷蔵庫の表面に張り付けて…
そのまま忘れます。
これでは講習の受講率が上がるはずがありません。

 

その講習を受ける理由、講習に掛ける塾側の思い、
受講後に生徒(子ども)が得るもの…
そうした、ありとあらゆる内容を盛り込むことによって、
やっと母親に、

「塾の意志」

が伝わります。
なぜなら、人には「質より量の法則」が働いているからです。

 

これは様々な場面で発動されるのですが、
例えば、

「入塾案内一式」。

事務的申込書だけの場合と、
そこに写真を多用したパンフレット、
塾の理念を解説した小冊子、
卒塾生の合格秘話集、
高校の資料、
講演CD、
合宿のDVD…
そうした諸々の資料が一緒にドサッと手渡された場合を想像してください。
人は、確実に後者に、

「面倒見の良さ」

を感じるものです。
この「ドサッ」という重みに人は反応します。
それが、

「質より量の法則」

です。

 

最初は文章が下手でも構いません。
あなたは作家ではないのですから。
それよりも、あなたの熱意を伝えることです。
そのためには、ある程度の文字数を使うことです。
講習の案内ならば、せめて4~5枚は書きましょう。

「質より量」

それが書面によるコミュニケーションのコツです。

 

塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝

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