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森智勝先生の「地域1番塾への道」vol.28

森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>
全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表
・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。
・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立
・平成18年 「全国学習塾援護会」設立
・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。
全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。
机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。

2015.1月号‐子どもをやる気にさせる地域№1塾になるために3‐

このメールセミナーの読者は、名大SKYのe-teacherを、
利用されている方が多いと思われます。
すると、指導形態は映像個別か、集団指導+映像補習でしょうか。
現在、集団指導の現場での、

「子どものモチベーション」

について話を進めています。
集団指導以外の塾にとっては、

 

「宿題の出し方なんて関係ないよ」


と思われるかもしれませんが、
根本の原理はいつでもどこでも同じです。
もう少し、お付き合いください。

 

さて、集団指導の中で、
モチベーションが下がる芽をつぶしていこう
という段階です。
まずマイナス面を排除してからプラス面を付加しなければ、
穴の空いたバケツに水を入れるようなものです。

 

さて、生徒がモチベーションを下げる瞬間はまだ、(まだまだ?)あります。
意外に思われるかもしれませんが、最大の盲点は、

「演習時間」

です。
集団指導の場合、例題を板書で説明し、
すぐに練習問題を解かせることが通例です。
中には昔ながらのまま、ワークを解かせてから板書で解説する塾も存在します。もちろん、ある程度の演習は必要です。
ところが、その時間があまりにも長いと
生徒のモチベーションは確実に低下します。
なぜなら…演習はつまらないからです。

 

以前もお話したかもしれませんが、こんな塾がありました。
その塾では、

「家ではなかなか勉強しない生徒」

のために週3回、
計9時間の集団授業を提供しています。
近隣の大手塾と比較すると、単位授業料は格安です。
また、それを売り物にもしています。
ところが…生徒は集まっていません。

 

これは、対象見込み客と提供商品がズレている典型です。

 

まず、

「家で勉強しない生徒」

は、もともと勉強に対するモチベーションが低いと考えられます。
そんな生徒が嫌々でも塾に通わなければならなくなった時、
週に9時間も拘束(勉強)させられる塾を選択するでしょうか。
もっと楽な?塾を選ぶのは必至です。
例えば週2回、計160分の個別指導塾とか…。
親としても、それでも塾に通ってくれるなら、
容認するケースがほとんどでしょう。

「家で勉強しない生徒」

を対象に

「週9時間も勉強させる商品」

を売るのは至難です。

 

その塾は、週に9時間も何を提供しているのでしょうか。
私の経験からすると、英語や数学の積み重ね科目でも、
1時間もあれば1週間分の予習(解説)はできます。
理科や社会はその半分で可能です。
どうやら某塾は、指導時間の半分以上を、

「演習」

に使っているのです。

「家でやるべきこと」

を塾で提供するのですから、当然の帰結です。
生徒はワークを解いている。
教師は、

「見守り」

と称して休憩している。
それが演習時間の実態です。
教師の休憩時間に、

「代金を払う客」

はいません。

 

新しい内容を解説した直後に演習させるのは、知識の定着のために必要です。
しかしそれは、限りなく短時間に収めるべきです。
なぜなら、演習時間は生徒にとって、

「つまらなく、モチベーションが下がる時間」

だからです。

「できる生徒」

はさっさと解き終わって手持無沙汰にしています。

「できない生徒」

はハナから諦めて解こうともしません。

「ワークを解かせる→適当な時間で区切って解説する」

こんな授業を続けていては、生徒のモチベーションが上がるはずがないのです。

 

子どもには知識欲があります。
知らないことを知りたいという欲求があります。
ですから、教師が新しい分野を説明する(予習する)時間は、
充実して過ごせます。
ところが、ダラダラと続く演習には苦痛を感じるのです。

 

出来る限り演習時間を短くして、いかに充実した授業を展開するか。
集団指導塾が生徒のモチベーションを下げさせない鍵はココにあります。
私は、講義:演習は7:3あるいは8:2程度が理想だと考えています。

 

私が3年前に支援に入った集団指導塾は、典型的な英数塾でした。
週にそれぞれ英語2時間を1回、数学2時間を1回の授業を提供していました。私はそれを時間を変えずに、
英・国で2時間、数・理で2時間のカリキュラムに変更させました。
社会はオプションのプリント学習です。
こうして5科目指導、それも徹底した予習指導の塾に生まれ変わりました。
結果…

 

現在では売り上げが当時の2倍、
地域では、

「成績の上がる塾」

として、地元の大手塾を上回る評価を得るようになっています。
数学・英語の指導時間は実質、半分になったのですが、
成績は以前より上がっています。
いかに、

「ダラダラと過ごす演習時間」

が多かったかという査証です。

 

塾で予習講義→学校で復習授業→家で定着演習→塾で確認テスト…
このサイクルを確立することができれば、塾全体が活性化されます。
生徒のモチベーションも向上します。
まずは、ダラダラとした演習時間の撲滅から始めてください。

 

塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝

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