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森智勝先生の「地域1番塾への道」vol.47

森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール> 

全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表

・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。

・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立

・平成18年 「全国学習塾援護会」設立

・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。

全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。

机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。

2017.1月号‐成績を上げる地域№1になるために{個別指導編1}‐

さて、これまでは集団指導を中心に「成績の上がる授業」について話してきま
した。ここからは「成績の上がる個別指導(自立学習指導)」について論じたい
と思います。

これまでも度々お話してきましたが、これまでの個別指導は「ひとりひとり面
倒見良く指導すること」を前面に出し、集団指導塾との差別化を図ってきました。
そして、それが一定の支持を集め、今の個別指導塾全盛期を作り上げてきました。

ところがリーマンショック以降、顧客の費用対効果思考が高くなり、個別指導
塾に逆風が吹き始めます。最大の原因は「個別指導は成績が上がらない」という
ことに顧客が気付き始めたことです。そこで、「個別指導でも成績が上がる」を
実現しなくてはならないという状況が生まれます。

成績が上がる方程式は単純です。

勉強の量×勉強の質です。(本来はそこに、生徒の素質を表す係数Kを掛ける
のですが、それはココで論じる趣旨と外れますので割愛します)

個別指導は、この「勉強の量」が圧倒的に少なくなる構造を持っています。

いくら個別指導とは言え、1週間に80分の勉強で「数学の成績が上がる」とは
思えません(英語も同様)。ましてや、指導科目ではない他教科の成績は上がる
はずもないのです。

つまり、いかに生徒のモチベーションを高め、家庭学習の指導・管理もできる
か…そこに成績向上の鍵があります。

生徒のモチベーションを上げる最も簡単な方法は、「生徒が好きになる講師」
を揃えることです。生徒が自らのモチベーション(学習意欲)を高める原因は様
々ですが、その最大の要因は「好きな先生に喜んでほしい」です。誰だって覚え
があるはずです。好きな先生が指導する教科は好きになり、嫌いな先生が指導す
る教科は嫌いになる。それは古今東西変わらぬ真理だと思います。好きな人に褒
められたいから、誰もが頑張るものです。

ならば、指導する講師(たいていは学生)の採用基準と研修を見直すことです。
もちろん、分かりやすい教え方は重要ですが、それだけではなく、「いかに生徒
から好かれる講師を揃えるか」を考えるべきです。

現在、ブラックバイトの風評のせいで、アルバイト学生が集まらない現状があ
ります。しかし、だからと言って、「誰でもいい」とは思いません。何でもそう
ですが、「安かろう、悪かろう」は通用しない時代です。個別指導の講師も同じ
です。

これは経営判断になりますので、あくまでも提案ですが、私はアルバイト講師
にもっと多くの報酬を出してもいいと考えています。多くの大学生が「ぜひ、自
分もやってみたい」と思うレベルの報酬です。その上で、それに見合った利益が
出せる構造に塾を作り替えていきます。正直、時給1,200円程度で維持される
「講師:生徒=1:2」の個別指導塾は限界を迎えているのではないでしょうか。

20年前、私が個別指導塾を経営していた時、自塾のバイトの時給平均は2,000
円~3,000円でした。それでも利益が出ていたのは、「講師:生徒=1:4」の
システムだったからです。他の塾と比べても高い報酬を出していましたので、質
の良い大学生が集まり、時間を超えて働いてくれました。遅くまで残って指導し
てくれたり、独自でプリントも作成してくれたりしました。私は彼らに、「制度
上時給で支払うが、基本は能力給だ」と言い、実際、時給を数百円単位で上げ下
げしていました(アンケートや教室長評価を基に)。

正直、指導技術は「ええ加減」でしたが、それでも地域では成績が上がる個別
指導塾という評判を頂いていたと自負しています。多くの生徒が「塾が好き、先
生が好き」と言ってくれ、前向きに勉強してくれていたと思います。自然と、勉
強量も増えていたはずです。

まずは生徒に好かれそうな講師を採用し、加えて「生徒をその気にさせる手法」
を研修で伝授することです。繰り返しますが、基本は「先生が好きだから(喜ん
でくれるから)頑張る」という方向に生徒を導くことです。(次号に続く)

塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)

森 智勝

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