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森智勝先生の「地域1番塾への道」vol.51

森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>

全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表

・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。

・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立

・平成18年 「全国学習塾援護会」設立

・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。

全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。

机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。

2017.7月号-マーケティング№1の塾を目指して②-

マーケティングの定義は様々ですが、私は「商品の素晴らしさを早く、正確に
伝える技術」だと考えています。けっして、手練手管を駆使して商品を売り付け
ることではありません。たとえ一時的に商品が売れたとしても、その手法ではリ
ピーターも固定客も作れません。塾は、顧客の全てが常連客です。集客の中心は
評判と紹介によるものです。奇抜な手法は開校時等、特別な場合に限り採用すべ
きで、通常は王道を行くことをお勧めします。

 

私が推奨するマーケティングの手法はワン・ツー・ワン・マーケティングです。
文字通り、店(塾)と顧客(生徒&保護者)を1対1で結びつけるマーケティン
グ法です。対極にあるのがマス・マーケティングです。店と顧客を1対多で捉え、
広く投網を掛けるように広報宣伝する手法です。大手塾ならばTVコマーシャル
等を駆使してマス・マーケティングを行うのも効果があるでしょうが、中小・個
人塾には不向きです。

 

もう1つ、ワン・ツー・ワン・マーケティングと並行して採用をお勧めしてい
るのがエモーショナル・マーケティングです。簡単に言えば、相手の感情を予測
(想像)して実行するマーケティングのことです。当たり前のように思われるか
もしれませんが、多くの塾が相手の感情を無視した言動を無意識のうちにしてい
ます。例を挙げると、個別面談の時、こんな会話をしていませんか?

 

母親「今の成績で、〇〇高校に合格するでしょうか?」
塾長「それは今後の△△君の努力次第です」

 

この塾長の答えは正論です。我々は予言者ではないので、数か月後の合否を言
い当てることはできませんし、今後の努力次第というのも、その通りです。しか
し、この母親の問いは合否を尋ねているのではありません。心の中の不安を吐露
しているのです。求めているのは「今後の努力次第です」という正論ではなく、
不安を解消してくれる力強い言葉です。ここで必要なのは、「お任せください。
必ず合格できるように私が責任を持って指導します」という塾長の覚悟です。そ
の覚悟を知れば、母親の不安は(少しですが)解消することでしょう。

 

この話をすると、「そんなこと言って、合格できなかった時に責任が取れない」
と言う塾経営者がいます。まず、そんな無責任な塾に我が子を任せようという保
護者はいません。また、あなたが本気で生徒の合格のために必死で指導していた
のならば、たとえ不合格になったとしても塾(あなた)を責める保護者はいませ
ん。保護者が責めるのは、塾(あなた)が手抜きをして不合格になった時です。

 

これからマーケティングの話をしていくのですが、その中心はマン・ツー・マ
ン・マーケティングの手法であり、必要に応じてエモーショナル・マーケティン
グの手法にも触れていきます。

 

さて、イントロダクションとしてマン・ツー・マン・マーケティングの基本的
なことをお話します。前述したように、マン・ツー・マン・マーケティングは塾
と顧客を1対1の関係と捉えて行うものです。例えばチラシ、例えば夏期講習の
案内の文章を読み返してみてください。主語が複数(私たち、我々)になってい
ませんか?相手(対象者)が複数(みなさん、あなた方)になっていませんか?

 

本来、文章を書いているのは1人ですし、読んでいるのも1人です。ならば、可
能な限り主語は「私」(単数)を使い、対象者も「あなた」「君」(単数)を使
うべきです。それではじめて読者は自分のこととして捉えてくれます。

 

朝礼台に立った生活指導の教師が、「みなさん、廊下は走らないようにしましょ
う」と呼び掛けても、生徒は誰も自分のこととは認識しません。私は仕事柄、大
勢を前に講演をすることがあるのですが、意識的に「あなたならどうしますか?」
のように単数で呼び掛けます。その方が聴衆ひとり一人の心に届くことを知って
いるからです。それがマン・ツー・マン・マーケティングです。

 

では次回から具体的なケースについてマーケティングの話を進めます。

 

塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝

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