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Yoriko先生のオーストラリアを読んで味わうコラム9

Yoriko先生 ウォリス依子(Yoriko Wallis)
・Abacus By Wallis運営 

27歳でオーストラリアに移住。ソフトボール選手として全豪リーグでの試合を経験する。「努力を成功につなげる法則」を伝えようと、ケアンズにそろばん教室を開くが、開業から1年も経たないうちに生徒の半分が離脱。やってきたことが否定されたと落ち込む日々が続く。

心理学、コーチング、ビジネス――。さまざまな分野で打開策を続けること6年。ようやくたどり着いたのが「好きなことをして成功する法則」実践すると、生徒・保護者から愛される教室に。累積生徒数は250人を超え、10周年を迎えるまでに成長。

現在は、魂が望む人生を手に入れ、次のステージで成功する人を増やしたいとコンサル業も行っている。

「お母様に隠された入会不成立の本当の理由」

雨、雨、雨・・・。

オーストラリアのケアンズは、もう、青空を見ることはないかと思わせるほど、雨が続く雨季(夏)真っ只中。2週間止まないこともあるほどです。おかげで、気温は夏でも30度を越さないけれど、さすがにお腹いっぱいになります。

さて、今回は、「お母様に隠された入会不成立の本当の理由」です。

その本当の理由とは、お母様自身の劣等感と不安・・・。それでは、詳しくお話ししますね。

オーストラリアでは、2月が学校の新学期なので、習い事の新規入会シーズンでもあります。我が教室では、そろばん・算数/数学・プログラミングの3つが学べ、ありがたいことに、最近は、プログラミングのお問い合わせが増えてきました。

先日、小学3年生の男の子とそのお母様が、プログラミングのお試しレッスンに来られました。新学期が始まる前の学校休みの間に済ませておきたいとのことだったので、特別枠で教室を開けました。

私と、お母様と、少年だけの空間―――。

3人がけの机にセットした1台のラップトップは、音を解放し、マウスの可動域を全開にします。普段からマインクラフトで遊んでいる少年は、私の説明も、印刷したガイダンスも必要なく、自分なりに試しながら、どんどん先に進んでいきます。彼のラップトップの画面をのぞくと、目の前に火花が散るくらい、マイクラの世界が回転していました。これ以上にない興奮度が伝わってきます。

お母様は、斜め後方から、その様子を静かに見学していました―――。

30分ほど経って、ひととおり、お試しのタスクが終わりました。さあ、少年は、席を立ち、教室内の探検に出ます。私の横には、雨季のケアンズのように湿るお母様のお顔。私は、思わず除湿機を探してしまいました。

「プログラミングを習ってどうなるの?」「なにがいいの?」「得られるものは?」といった類の質問が投げられました。当の本人は、我が教室のサイトに載せている内容をしっかり読んできたにも関わらず。かといって、彼女の中で目指す姿やゴールを言葉で明確にすることはできません。

よくよく聞いてみると、本当はそろばんを習わせたいのだけれど、夫が価値を感じてくれないとのこと。そろばんを習わせたい理由は、スポーツ以外の習い事をさせたいから。その中でもアカデミックで、学校の科目で有利になるようなもの・・・。

そんな会話をしている中、少年は教室内をちょこまかと動き回ります。触れられるものには触れて、気になるものは「これなに?」と、唐突に聞いてくる。お母様の湿気は最高潮に達し、顔に熱を帯びて、いつ台風が発生してもおかしくない状況になりました。気がついたら、私は完全に除湿機と化し、フル稼働していました。きっと、台風は帰りの車の中で発生していたのでしょう。

あれから2週間が経ちました。彼女から連絡はありませんし、こちらからもしていませんので、入会は不成立。さて、何がそうさせたのでしょうか。

それは、自分が親として、落ち着きのある子供を育てられていないという劣等感と、我が子を愛せていないかもしれないという不安。

これがある限り、気持ちよく契約書にサインはできません。教室に通わせたからといって拭えるものではないからです。きっと、ご本人も小さい頃は、思い切り自由に動き回りたかったけれど、たくさん我慢してきたのだろうな・・・。そんなことを、ニアミスした台風が去った静かな教室で、ひとり感じていたのでした。

「なんでも興味を持つ、活発な子供でいいじゃない♡」って、突き抜ける青空が胸の中で広がった時、またお越しください^^

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