新着情報

森智勝先生の「地域1番塾への道」vol.46

森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>

全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表

・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。

・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立

・平成18年 「全国学習塾援護会」設立

・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。

全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。

机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。

2016.11月号‐成績を上げる地域№1になるために8‐

カリキュラムや時間割については、塾独自の教育理念や信念によって違っていいと思います。ただ、それが地域の支持を得ているのが条件ですが。

ここでは基本だけを押さえます。

まず第一に、年間カリキュラムの存在が不可欠です。集団指導を行っている塾は、学校進度に関わらず予習指導をしているはずです。ならば、年間の授業回数が決まれば、1つ1つの授業(学習)内容も自ずと決まってくるはずです。ここが疎かになっている塾は、授業そのものも疎かになってしまいます。これが大前提。

その上で、ルーティーンとしてのチェックテストは不可欠だと考えます。個別指導と違い、1人ひとりの習熟度を確認する術(すべ)が集団指導にはありません。毎回のチェックテストで確認することです。

ただし、あくまでも「確認テスト」ですから、10分も20分も時間の掛かるテストはダメです。長くても5分程度で済むテストです。計算問題ならば10問程度でしょうか。

答え合わせを、解答用紙を集めて教師が行うのはいいのですが、そのために演習時間が長くなったり、返却が翌日以降になったりするのは避けたい。私は、生徒に答え合わせをさせてもいいと考えています。隣同士で解答用紙を交換させ、黒板に表示した正解(or配布した正解)を見て○×を付けさせます。結果発表は挙手で報告させれば十分です。

このチェックテストに多くの時間を割くのは合理的ではありません。サクサクと実行すればいいと思います。大事なのは、その後です。チェックテストの不合格者に対する扱いです。

多くの塾は「不合格者は合格するまで再テスト」という仕組みを敷いていると思います。ところが、それが守られていない。「居残り」なのか「別日」なのかは別にして、「やる」と言ったことは「絶対にやる」という姿勢を見せることです。「分かるまで帰しません」と言いながら、適当なところで「後は家でちゃんと勉強しとけよ!」と言って帰してしまいます。これでは成績が上がるはずがありません。「まぁ、チェックテストが不合格でも少し残っていけば済むから…」という負のノームを抱えた生徒が生まれるだけで、逆効果です。

そもそもチェックテストは、不合格者に対する対応の前に、「いかにすれば全員が家庭学習をして合格点を取ってくれるか」を考えて実行するものです。それならば…

例えば、英語や理社・漢字等の暗記モノならば、事前にテスト用紙を配ってしまえばいい。「来週は、これがチェックテストです。しっかりと覚えてきてください」と言って。

数学ならば、数値を変えただけの疑似テストを配ればいい。「来週は、数値を変えただけの同じ問題でチェックテストをします」と言って。

とにかく、全員合格を目指したチェックテストの実施を目指し、それでも不合格になる生徒に対しては、トコトン対応する。その姿勢が「勉強に対する厳しさ」であり、その厳しさは、集団指導塾には不可欠なものです。まさかと思いますが、鉢巻をした教師が竹刀で机を叩きながら指導するのを「厳しさ」とは考えませんよね。本当の厳しさとは絶対に妥協しない姿勢を貫くことです。

カリキュラムの全体像については、コレが理想だというテンプレートはありません。ただ、どんなカリキュラムでも、次のサイクルは必要です。

講義(塾:予習)
⇒演習(塾or家庭)
⇒チェックテスト(塾)⇒フォローアップ
⇒補習(塾or家庭)⇒月例(単元)テスト
⇒定期テスト対策(塾)
⇒結果集約(成績管理)
⇒フォローアップ

チェックテストは1週間、月例(単元)テストは1か月、定期テストは3ヶ月程度のサイクルでしょうか。そうしたサイクルに合わせた「チェック」は欠かせません。もちろん「成績向上」「志望校合格」のために。
今回は集団指導塾を例にして論じましたが、基本は個別指導塾・自立学習指導塾も同じです。

ついでに…ですが、集団指導塾の基本は週2回で4科~5科指導です。プラス1回をオプションにして斡旋します。やはり、入り口は手軽な方がいいと思います。週3回を基本にすると、「週の半分は塾に通わなければならない」というイメージが生じます。それでもいいと言う勉強熱心な生徒を集めたいという意図があるのでしたらいいのですが、単に集客のことだけを考えれば、必須週2回+オプションがベターでしょう。

本来、この続きとして生徒のモチベーションUPについても論じなければなりませんが、紙面が尽きましたし、モチベーションについてはこれまで何度も取り上げてきましたので割愛します。

さあ、「始め良ければ全て良し」です。来春までに授業のスタイルを確立してください。今が最後のチャンスです。今を逃すと結局、今まで通りの授業が続くことになります。

 

塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)

森 智勝

次の記事 

前の記事 

このページの先頭へ