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森智勝先生の「地域1番塾への道」vol.72

森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>

全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表

・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。

・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立

・平成18年 「全国学習塾援護会」設立

・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。

全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。

机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。

 

「地域1番塾への道」2020.12月号-説得力(コピーライティング)№1の塾を目指して⑯

以下の文は、今春に開校する新塾のあいさつ文です。どうも、教育目標と指導方針を上手く融合させられていないようです。

〇〇塾の教育目標
-社会に貢献できる人財を育てる-

〇〇の塾の指導方針
-受験に強い塾~学習のあらゆる悩みを解決する総合的指導-

「〇〇塾」設立にあたって

〇〇塾は「社会に貢献できる人財を育てること」を教育目標にしています。そのために受験に強い子を育て、ひいては社会に貢献できる大きな志を持つ人に育ってほしいと願っています。

これからの世界は既成概念にとらわれず、新しい挑戦ができる人を求めています。自分に何が出来るか、何をやるべきかを真摯に考え、行動し、達成するまで考え抜くことができる人になってくれたら、〇〇塾の講師として、これ以上の喜びはありません。我々講師は学習面の強力なサポーターとして、生徒の皆さんに深く関わりたいと考えています。

当塾は学習内容だけでなく、「勉強のやり方」を教えることを主眼に置いた授業を行います。「教え込む指導」は一見親切で、学力を伸ばす上で有効な手段だと思われるかもしれません。しかし「教え込む指導」は、皆さんの思考の機会を奪い、自力で考え抜く意欲を奪い取ってしまう危険な指導方法です。〇〇塾は経験豊かな講師が、生徒ひとり一人に合った学習法を提案し、上手くいくまでサポートします。ここで学べば必ず、自分の学習法が見つかります。

自分で学ぶことを自学自習と言います。受験で得られる技能の中で将来最も有効なのは、この自学自習の力です。〇〇塾はこの力を高めることを常に考え、授業を行い、学習環境を用意しています。また、どこよりも集中できる自習室も用意しています。

当塾は受験指導だけでなく、キャリアデザイン講座など、将来について考えるための講座も行っています。このような特別行事も、普段の授業も、全てがあなたの将来に向けて大きな糧となるものだと確信しています。

あなたが志の高い先生たちと生徒たちと共に、今の自分からは想像もできないくらいの成長を遂げ、社会に貢献できる人財へと成長してくれることを切に願って、〇〇塾を設立しました。

全体を読んでもチグハグな感が否めません。原因は明らかです。この新塾は、集団指導塾と個別(自立)学習指導塾が合併して設立されるものだからです。その性格の違う塾が1つになろうとするのですから、上手くすれば化学反応を起こして新しい塾を創り出すことができますし、悪くすれば水と油になってしまいます。

一般的な傾向として、集団指導塾の経営者はマインドを重視し、個別指導塾の経営者はシステムを重視します。上記の文章は正に、その2つのコンセプトを接ぎ木したような内容になっています。結果、焦点をどこに合わせたのか分からない、読者からすると焦点をどこに合わせて読めばいいのか分からない文章になっています。

それが最も顕著に表れているのが冒頭の文章です。

〇〇塾は「社会に貢献できる人財を育てること」を教育目標にしています。そのために受験に強い子を育て、ひいては社会に貢献できる大きな志を持つ人に育ってほしいと願っています。

社会に貢献できる人財を育てるために受験に強い子を育てる…ちょっと飛躍し過ぎた論理です。年齢や経験、考え方の違う二人の塾長(経営者)が1つになろうとしているのですから、ある意味当然の「生みの苦しみ」でしょう。しかし今のままでは、外から見てどんな塾かが分かりにくいものになってしまいます。それは得策ではありません。

つまり、「受験に強い塾」というシステム重視のコンセプトと、「社会に貢献できる人財を育てる」というマインド重視のコンセプトを上手く融合させる必要があるのです。

そこで、私の見本文です。切り口を替えて、「受験に強い塾」をマインド的(エモーショナル)に表現してみました。

「受験に強い生徒」を育てる「受験に強い塾」

「受験に強い生徒」とは何だろう。受験に合格することだろうか。それなら志望校を1ランクも2ランクも下げ、手を抜いて合格した生徒も「受験に強い」と言えることになってしまう。私が考える「受験に強い生徒」とは、「志望校に対して真摯に立ち向かい、最後まで諦めずに勉学に励む生徒」のことだ。

勉強に対して、受験に対してさえ頑張れない人が、なぜ人生の難関に立ち向かえるだろう。私は子どもたちに、そんな逃げ癖のついた大人になってほしくない。どんな困難に直面しても、真正面から挑戦する人になってほしい。そして、その力を子どものうちに身に付けさせたい。

努力は誰でもできると思われがちだが、それは違う。走力は「走る力」、歌唱力は「歌う力」であるように、努力とは「努める力」、平たく言えば「頑張る力」のことであり、能力の1つだ。そして能力である以上、鍛えれば誰でも向上させることができる。

子どもたちにとって努力=頑張る力を向上させる手段は、スポーツと芸術、そして学問である。部活で苦しい練習をする、指先から血が滲んでもギターを弾く、志望校を目指して必死で勉強をする…そうした行為が子どもたちの頑張る力を養成する。子どもたちにとって勉強することは辛くつまらないことかもしれない。しかし、自らの目標に向かって諦めずに勉強を続けることは、彼らの努力、すなわち生きる力を向上させる営みである。

定期考査や受験は、その生きる力を向上させる営みの「きっかけ」に過ぎない。誤解を恐れずに言えば、全力で受験に立ち向かった者は(もちろん私は指導者として彼らの合格を心から願っているが)、その合否に関わらず勝利者と言える。その過程で得た頑張る力は、合否に関わらず血となり肉となり、生きる力となるのだから。

当塾は「受験に強い塾」を標榜する。それは単に合格実績を誇るだけの塾ではない。塾長、校舎長、講師…全てのスタッフが志望校を目指す生徒に対し、最後まで諦めずに最善の指導と情熱を傾ける塾のことだ。

「受験に強い塾」を思いっきりエモーショナルに仕上げた文章です。あいさつ文で指導内容まで説明するのは無理です。ここは塾(指導者)のマインドが伝われば充分でしょう。参考にしてください。

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