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小田原健一先生の情熱の個別セミナー34

小田原 健一(おだわら けんいち)
<経歴> 

神戸の中堅塾の個別指導部門の責任者を務める。
生徒数を18名から281名まで伸ばす。
不振校舎の業績改善においては、年度当初69人の生徒を半年で181人まで回復。
2013年、個別指導塾コンサルタントoffice lokki(オフィスロッキ)を設立。


<ご挨拶>

こんにちは。兵庫県で個別指導塾のコンサルタントを行っている小田原と申します。
生徒の成績も塾の経営もその本質は変わりません。
それは正しいことを、適したやり方で、必死のパッチに頑張ること。
間違ったことをどれだけ頑張っても成果は出ませんし、やり方が適していなければ成果が出るまでに時間がかかりすぎてしまいます。
原理原則を踏まえて、また会話を大切にしながら、貴塾の課題克服に貢献できればと思っています。よろしくお願いします!

小田原健一先生の情熱の個別セミナー34
201908 講師採用後3週間目の壁はOJTで乗り越える!

先月のコラムで、講師のマネジメントにおいては3日目、3週間目、3か月目、3年目がポイントというテーマをご紹介し、3日目の壁についてお伝えしました。今月は3週間目の壁について書きます。

 

講師が採用されて3週間、現場で何人かの生徒と接し、この仕事の面白さと同時に、難しさも感じ始めたころでしょう。この段階で重要なのはOJTです。OJTはOn the Job Trainingの略語で、Off-JT(Off the Job Training)と対を為すものです。Off-JTは業務と離れた教育訓練。授業と別日に講師を呼んで座学研修やロープレをするようなスタイルを指します。それに対してOJTは業務を通じた訓練です。例えばカフェに行くと、レジを打つ新人アルバイトの後ろでベテランのスタッフがアドバイスをしている、あれがOJTです。

 

現場時代を振り返っても、3週間の段階で新人講師をほったらかしてしまうと、モチベーションが下がるか、または勝手なことをし始める。いずれにしても良くない状況が起こります。

 

現場はバタバタで塾長先生も先輩講師もそれぞれの仕事で余裕がなくなっている。『それくらい、自分で考えて動けよ!』つい、思ってしまいます。しかし、講師は何をどう動いて良いのか分からず戸惑ってしまい、また真面目な性格の講師ほどパニックになりがちです。

 

新人講師の採用には多くのコストがかかっています。募集活動を行い、面接や初期研修に時間を割いても、3週間の段階で辞められてしまっては、その労力がパーになってしまいます。お弁当を作る為に、材料を買って、時間をかけてじっくり仕込みをし、工夫して調理をしたけど、最後の盛り付けの段階でひっくり返してしまったようなもの(涙) 報われません。忙しい中ですが、新人講師のデビュー時は、その仕事に寄り添ってあげて、多くのフィードバックを行ってあげてください。急がば回れ。この段階でしっかりと仕事の仕方を教えると成長速度は大きくなり、塾への貢献も大きくなります。将来の利益に繋がる重要な業務なのです。

 

3週間目の講師のモチベーションを下げないためにもう1つ重要なのは、『初期研修で伝えたこと』と『現場の実際の仕事』に乖離を作らないことです。初期研修ではつい、綺麗な話や正論を伝えてしまいがち。仮に現場で講師に徹底できていないようなことであっても、『今後は変えていきたい!』という塾長先生の希望的な心情も相まって、新人講師に『現状がすでにそうなっているかのように』伝えてしまう。新人講師は何も分からないので、そんなもんかと思ってふんふんと塾長先生の話を聞いてくれるでしょう。

 

しかし現場に入り、先輩講師の動きを見て講師は愕然とします。『研修で言われたことを先輩講師は全然やってないじゃないか。そして、それを塾長先生は黙認してるじゃないか。先輩もやっていないことを僕にだけやれと言うのか。ひどいな。でも先輩も言われたことをやってないようだし、この塾では塾長先生に言われたことを全部そのままやらなくていいんだな』こんな心理が生まれ、講師のモラルは下がります。面接や初期研修で何を伝えるのかは非常に重要なのです。来月は3か月の壁について書きます。

 

暑い毎日、教室では熱い夏期講習が繰り広げられていることでしょう。お体にはくれぐれもご自愛ください。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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