森智勝先生の「地域1番塾への道」

森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>
全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表
・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。
・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立
・平成18年 「全国学習塾援護会」設立
・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。
全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。
机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。

森智勝先生の「地域1番塾への道」vol.48
2017.2月号‐成績を上げる地域№1になるために8‐

前号で、個別指導塾は「生徒に好かれそうな講師を採用すること」、生徒を「先生が好きだから勉強を頑張る」という方向に持っていくことが重要だとお話しました。

それを前提として、指導システムを構築します。

 

ただ、「分からないところを教える授業」で成績が上がらないのは当然です。学生講師に丸投げしている塾はダメです。講師は解法マシーンではなく、生徒のナビゲータでなければなりません。主な仕事は、分からないところを教えるのではなく、「何をどう勉強すれば成績が上がるか」を指示することです。

 

原則を言えば、生徒に合ったレベルの問題を提示し、生徒に合ったレベルの教え方をし、生徒に合った家庭学習を指示することです…が、そんな専門的なことをできる講師は存在しません。いきおい、(表向きは「ひとり一人に合わせた指導」を掲げても)ある程度は定型の指導スタイルを確立する必要があります。

 

1 指導は予習型か復習型か

かつての個別指導塾は復習型でした。「分からないところを教える」のですから、それは当然です。ところが近年、予習型の個別指導が増えています。それも当然です。従来の復習中心指導では成績が上がらないと分かってきたからです。

 

私も予習型を推奨します。救済型塾は別ですが、標準レベルの生徒をターゲットとした場合、予習型の方が成績の向上が見込まれるからです。

 

また予習型ならば、ある程度は学校進度を無視して指導することができます。復習型だと、例えば体育祭、例えば修学旅行等々で学校授業が進まないとき、塾での指導も滞ってしまいます。結果、テスト前に十分な指導ができずにテストに突入するという事態が生じます。これでは成績が上がるはずがありません。テストの2週間前にはテスト範囲の学習が終わっているのが理想です。それには予習型しかありません。

 

年間の指導回数は決まっていますので、1回の指導範囲(学習範囲)も自ずと決まってきます。それを学校の定期テスト回数・時期と睨み合わせて、学習スケジュールを組むことです。「ひとり一人~」は、このスケジュールによって表現します。学校が違えば、スケジュールも違いますよね。

 

その上で、1回の指導のタイム表を作成します。例えば80分授業の場合は、こんな感じでしょうか。

  1. チェック・テスト(10分)
  2. 宿題チェック(10分)&再学習(10分)
  3. 今日の学習内容解説(20分)
  4. 例題演習(10分)&例題解説(10分)
  5. 練習問題(10分)

これを、1:2ならば二人の生徒を交互に指導しなければなりません。つまり、A君に解説しているとき、B君は演習をしていなければならないということです。上記の例で言えば次のような配分になります。

[解説]=宿題チェック(10分)+今日の学習内容解説(20分)+例題解説(10分)=計40分

[演習]=チェック・テスト(10分)+再学習(10分)+例題演習(10分)+練習問題(10分)=計40分

 

もちろん、そんなに上手いこと機械的に時間配分が出来るわけではないですが、少なくとも基本の時間配分がなければ、どうしてもどちらかに偏った指導になってしまいます。たいていの場合は、演習が多くなります。なぜなら、生徒に問題を解かせておく方が講師にとって楽だからです。

 

チェックテストは(生徒のレベルに合わせた)独自作成が好ましいのですが、まぁ既製品でもいいでしょう。ただ、チェックテストがないというのは避けたい。それでは生徒の進捗状況&習熟度が図れないからです。

 

そして重要なのは、チェックテストで不合格だった時、宿題をやっていなかった時のルールです。結構その点がルーズで、例えば宿題をやってこなかった生徒に対して「まったく仕様がないなあ、今からやれ。終わるまでは次の指導ができないぞ!」と、それでなくても短い指導時間を「先週出した宿題」に占拠させてしまう。これでは成績が上がるはずがありません。ところが現場では、「宿題をやってこなかった生徒が悪い」で済ませています。いや、その通りでしょう。でもそれはビジネスの論理ではありません。

 

生徒が宿題をやってこない⇒成績が上がらない⇒高い授業料を払いたくない家庭は塾を辞めさせる⇒売り上げが落ちる&悪い評判が立つ⇒生徒が集まらなくなる⇒売上が落ちる…さて、売上が落ちるのも生徒のせいだと言って済ませますか?

 

「成績が上がらないので退塾させます」と言う保護者に対して、「いえ、それはお子さんのせいですから許しません」と言いますか? それで「済みません。考え違いをしていました。退塾はいたしません」と思い直す保護者はいません。

 

チェックテストも同じです。「不合格なのは家で勉強しない生徒が悪い」で済ませていると、遠からず退塾の道へ進みます。

 

塾にとって、宿題もチェックテストも目的ではなく手段です。成績を上げるための。そもそも生徒にとって、塾に行かなければならない義務はありません。ましてや、その塾が出した宿題をしなければならない義務などどこにもないのです。と、なれば、「その宿題をしてこなかった生徒が悪い」という理屈も成り立たないことは自明です。「どうすれば塾の宿題もやってもらえるか」を考え、実行することも塾の仕事です。

これはあくまでも[例]です。

 

以前も紹介しましたが、私が経営する個別指導塾では、宿題を忘れた生徒はスグに帰宅させ、土曜日に再指導(振替)するルールを設けていました。これだけは厳密に守らせました。すると、次第に「宿題を忘れる生徒」はいなくなります。

 

チェックテストの不合格も同様です。土曜日に再テストを受けに来なければなりません。面倒なので?不合格になる生徒は次第に減少しました。(チェックテストに関しては別の工夫もしていました。暗記テスト(漢字・単語テスト等)に関しては、「来週のチェックテスト」を事前に生徒に渡します。数学は「数字だけを変えた模擬チェックテスト&解答を事前に渡していました。もちろん、成績不振生徒だけですが)さて、あなたの塾の対応はいかに?

塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝

このページの先頭へ